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Kazu'Sが感じたことを遠慮無しに書き込む為のBlog。気分が悪くなっても知りません(笑) 自己責任で。 基本アニメレビュー。「シムーン」「RED GARDEN」。最近はひたぎ蕩れでミナ蕩れです。

英数字が5割以上のコメント、TBは投稿制限しています。またスパムと判断されるものは問答無用で削除します。
さて、待望のRED GARDEN OVA、ついに出ました。どんな話になるのかと思っていたら、予想外の話になっています。なんと言っても一番楽しめたのは、4人娘のなんとも言えない味のある会話の数々。それぞれがすっかり大人になっていて、数百年を生きているという感じが上手く出せています。本編を見た人は、当然その変貌ぶりに驚き、かつ、本質は変化していないという部分に安心します。それなりの生活を楽しんだり、これまでの生き方に飽きてしまっていたり、刺激を求めて何かを探してみたりと、それぞれ永遠を生きるということの受け止め方を探っているという感じがします。

失われた17年という時間は、確かに彼女達にとって相対的に小さなものになりました。その部分の解釈とケイトの心情表現を軸にしながら進む話は、なんとも独特な雰囲気があります。RED GARDENそのものが、運命に縛られた少女達というコンセプトを持っていた訳ですが、結局不老不死の体を手に入れても、それは変わらないというところから話が始まります。

その状態をどうやって消化していくかという流れが面白いんですが、明確な形の答えが用意されてはいないものの、折り合いが付いたという感触で終わっています。短い時間のOVAで描くことが出来る後日談としては、非常に良くできた話だと思います。キャラが立っていて魅力的な作品でしたから、そのキャラを十分に使って、印象的に仕上げています。本編を見ていないとさっぱり理解不能な作品だと思いますが、逆に本編を楽しんだ人間には、十分堪能できるようになっています。

味付けの上手さが光る秀作でしょう。
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最終回を見て、どうにも納得がいかなかったので、シムーンの時にお世話になった某友人に再び意見を聞いてみました。すると彼曰くあの最終回で過不足は無いと言います。詳しく話を聞いてみると、確かに、なるほどなと頷けるものでした。

まず、作品全体のテーマをどう解釈するか。これが一番大きな問題です。RED GARDENという作品は、演出が非常に細かく、かつ微妙なものなので、ここを読み違えたり曖昧にしていたりすると意図が捕まえきれなくなります。で、彼の解釈としては、

「生きるとは何か? 生と死の違いは何か?」

じゃないか。ということです。なるほど、生きるとは何か? という発想はあったものの、生と死の違いは何か? というところまで頭が回らなかったというのが、僕の致命的な敗因になったようです。

例えば、最終回、リーズケイト達が再会するシーン。彼女達は一見再会を喜びます。けれど、それ以上何をするでもなく、呪いの書をお頭に渡して、たわいない会話をしつつ眠ってしまいます。これを表面だけで解釈すると、

あれだけ引っ張っておいてリーズの使い方ってあれでいいの?

ってなる。実際僕もそう思いました。けれど、そうじゃないと彼は言います。リーズの役割というのは、物語に対する切り札というものではない。ちなみに、そんなキャラはこの作品には存在していない。そんなキャラが居たら物語が成立しない。逆に言えば、そういうキャラが居ないということが、この作品の偉大なところでもある。と。

じゃあリーズとは何者か? というと、彼女はあくまでもケイト達4人との対比対象としての存在でしかない。ケイト達は、自分達が既に死んで、新しい命と身体を与えられた時に、選択を強いられた。そのまま死んでしまうか、それでも生き続けるか。そういう選択。ケイト達は紆余曲折の末、「それでも生きる」という選択をした。けれど、リーズは選択することが出来なかった。その違いを表現する為に彼女は存在した。だから、物語にストレートな形で影響を与えることは無かったかもしれないけれど、それ以上に重要なテーマに対して十分な存在意義を発揮したと言えるでしょう。

それを象徴的に表しているのは、やはり最終回、リーズが学校に行ってからケイト達に会うまでの数シーン。及びケイト達に会った時のシーン。リーズが口にした言葉は、彼女が死んでしまうまでの記憶に依っている。つまり、リーズは17歳までの記憶で止まってしまっている。それは、ドロルと戦い、生きると決めたケイト達が失うものそのもの。17歳までの記憶を失うケイト達と、17歳以降の記憶を失ってしまったリーズ。そういう対比がそこにされています。

であれば、その差は絶対的なものであり、それこそが「生と死」を完全に別けている。そう考えれば、リーズにはそれ以上のものを求める必要は無く、十分であるとすることが出来るでしょう。リーズとケイトが抱き合うシーン。その1シーンに込められたもの。ケイトの思いを想像するなら、まさに胸が熱くなる思いになるんじゃないでしょうか。さらにラストで、リーズは滅びる訳ですが、それはつまり、17歳までの記憶の消滅の比喩になっています。これは秀逸かつ上品な演出だと言えるでしょう。

もう一つ例を出すと、自分達の境遇を知って、4人は各々悩みます。一番荒れたのはレイチェルだった訳ですが、彼女はある時急に達観し始めます。さて、その契機はなっだったのでしょうか? 勿論トリガーはルークなんですが、ルークは、レイチェルに何度も助け船を出そうとしています。けれどレイチェルは拒み続けます。それは何故か。最終的にルークと別れなければならなかった理由は何か。それが何故彼女の生きるという決意に繋がるのか。実は、そこも僕には今ひとつ判らない部分でした。それも「生と死」というテーマを見据えれば見えてきます。

逆算してみましょう。ケイト達が「生きる」という選択をしたのは何故か。それは「死」を意識したからという表現がされています。その典型がアニムスのボス。彼女達は完全に人形のようになってしまっています。永遠の時間を生きる、生きられる、生かされてきた。それ故に死からあまりにも遠くなってしまった。その状態は実は生きていない。そう捉えることができます。ケイト達4人の死ぬ前の状態を考えてみると、彼女達も当然のことながら死を意識することは無かった。それが、強制的にそれを意識しなければならない状態に追い込まれたことで、最終的に生きるという選択に至ったという過程を読み取ることが出来ます。ルーク達の存在は死ぬ前のレイチェルと同じ状態に居ます。死を意識してしまったレイチェルとそれがないルークの絶対的な差。埋められない差異。それも「生と死」であると考えることが可能です。記憶を失っても、体を失っても生きることができる。そう示すと同時に記憶も体もあっても、生きているとは限らない。それを綺麗に表現しています。

ついでに言うと、最後の夜の4人の過ごし方。それぞれ一体誰と過ごしたでしょうか。一番大切な人と過ごした表現がされています。家族と過ごしたローズ。ユアンと過ごし親父とも一応顔を合わせたクレア、友人達だけと過ごすレイチェル、ポーラと二人だけで過ごすケイト。この過ごし方もとても象徴的です。それぞれと家族との絆が良く表現されています。一見一番問題が無いように見えたケイトこそ、一番家族と離れていたという事実。そして、家族との接点が薄いケイトとレイチェルの二人が、最も「生と死」という問題に対して逃げずに向かい合う結果になっています。この辺りの物語の構成は、本当に類を見ないレベルのものがあります。

そういう風に解釈すると、RED GARDENのメインの内容は、実は21話、あるいは20話で終了しているということになります。なので、最終回は、補足あるいはまとめ。情報量が下がったように感じられた原因はそこにあります。テーマ的には収束してしまっていて、物語的な〆に入った状態。それまでの内容を理解していないで、物語にだけ惑わされていると、尻切れトンボになったように感じてしまう訳です。

いや、僕の理解力ってのも、まだまだ全然足りてない。シムーンに引き続きまたそう思い知らされる結果になってしまいました。素晴らしい作品を送り出してくれたスタッフ一同に、心から感謝したいと思います。
本当に? 本当にこれが想定していたラストなの? ちょっと、いや、かなり消化不良って感じがどうしてもするんですが。呪いの書の謎自体は明かされない可能性はあるなとは思っていました。それ自体は、主題に直接影響するものじゃなくて、そういうものだという設定でも通用するだろうと思っていたから。

エルヴェに関しても、ルーラが実質上のとどめを刺すとは思っていなかったけど、まぁこんなものかと納得できる範疇。でもリーズだけはどうしても納得が行かないんですよね。彼女の存在意義が全く不明瞭です。

例えばエルヴェの決着に深く関わるとか、ドロルがほぼ全滅した今となっては、彼女はドロルの血を受け継ぐ唯一の女性な訳で、そういうポジションを取るとか、大体一度発症した彼女が何故意識が白濁しているとはいえ普通に戻っているのかとか、諸々が積み残しというような気がしてなりません。

結論にしても投げっぱなしって感じがどうしてもするなぁ。やっぱりこの話って少なくとも24話、下手すると26話あったんじゃないかって気がしてならないです。その位の話数があれば、残った伏線を納得できるレベルで回収できたんじゃないのか。そんな気がします。

いや、なんかあるのかなぁ。頭が冷えたらもう一回くらい見てもう一度考えてみようかな。
24話か26話だと思っていたんで、22話というのはちょっと残念です。とは言え、未だに面白さ自体は損なわれていません。最終回は一体どうなるのか。全く想像も出来ないし、とても楽しみです。

今回は、サブタイの通り、最後の朝までの4人の過ごし方を淡々と描いています。普通こんな話で1話作ったら退屈なんですけど、この作品の場合はこれまでのキャラクター表現がしっかりしているので、とても感慨深いものに仕上がっています。それぞれが、それぞれの大切な人達と関係の清算をする。レイチェルの言いぐさじゃないですけど、勝っても負けても、正義とか悪とかじゃなく、彼女達にとっては最後な訳ですから、それを彼女達なりに昇華していくという様子がとても印象深いです。

ラストに向けて十分助走は出来たという感じで、しかも長くも短くも無く、必要にして十分な質と量だったなという感じです。ここでも、シリーズ構成の上手さを感じさせてくれます。もう、最終回が余程酷い出来じゃない限り、傑作というポジションは確定と言って良いでしょう。

過去20話を超える時間を、1本の物語だけで綺麗に纏め上げ、かつその出来は十分に上質なアニメーションというのは、僕の知る限り数えるほどしかありません。シムーンやBEBOPとはまた違って、綺麗なミステリー作品として仕上がっています。物語だけでこれだけ楽しませてくれる作品はとても貴重なものなんじゃないかなと思います。
転換点。かなり大きく転換してきました。ただし、当然のことながら無理のないレベルで。ラストに向かってのお膳立て。という感じがしますが、残り話数を考えると、そのまま終わりって訳じゃ無いような気もします。

ケイトはこれでアウトかも。と思った瞬間に助けが入りました。そうなるだろうと予想していてもドキドキする展開。リーズは正気に戻ったのかと思ったら、また発症。でもリーズがキーであるような気はする。どうやって話に絡んでくるのか、それは気になるところです。

で、アニムスのボスがついに登場。人形化した女性達。ケイト達はその代理ということらしいが、どういう基準で選出されているのかは良く判らない。前半に死んだレイチェルの友達ってのは、確か違う学校だという設定だったんですが、ということは、同じ生ける人形が他の学校にもあるってことか? それだけの生徒数からケイト達5人が選出された基準というのはやっぱり気になります。偶然とかそういう詰まらないオチは無しにしてくださいね。

で、全面戦争っぽいです。予告を見る限り相当な数のアニムスが集まっています。戦闘力がみんな学園長クラスだとしたらとんでもないでしょうね。ドロルの方もそれなりの数は居そうですけど、本拠地をエルヴェとエミリオの二人だけで占拠されたって実績があるからなぁ。まぁ本を奪えば勝ちなんで、勝機はあるかもしれませんけど。

今回の前半に出てきたローズクレアの親父のネタも気になる。このタイミングであれだけの時間を割いて親子ネタを入れたということは、それなりの意味を持ったシーンなんじゃないかと想定できます。だとしたら、単に戦いました。どちらかが勝ちました。終わりって話ってことは無いんだろう。未だにエンディングがどうなるのか、全く予測がつきませんが、これまでのネタを拾っていくとするなら、もう少し捻りが入っているということになるんでしょう。

まったく、最後まで魅せてくれそうな困った作品です。
いきなり血なまぐさくなってきました。刑事さん達はもう少し話に絡んでくるのかなぁとか思っていたのですが、あっさりでした。ちょっと残念。リーズに関しても発症してしまったということは、もう駄目って感じもするんですけど、流石にそれはちょっとなぁって気がする。まだベッドに居ることだし、ケイト達4人組の接着剤だった訳だし、エルベとの関係もあるし…って、あまり予測するのは止めよう、外れると悲しいから。

話をこれだけ進めつつ、それでも4人の周辺と彼女達の心情をきちんと描写することを忘れないのは流石です。それぞれのキャラの状態は様々で、悲喜交々な状態が続いています。なんというか、レイチェルなんて上がり下がりが激しいです。

ローズが病院に連れて行かれるって辺りがちょっと微妙で、彼女達の体って病院で大丈夫なんだろうか。それ以前に何かそこからバレてしまうんじゃないだろうか。ちょっとドキドキです。

ケイトは相変わらず度胸満点で、単身敵の本陣に乗り込みます。挙げ句拉致られてしまいましたが、これを期にエルベと共同戦線が張れるかもしれません。呪いと言う表現がなされているものの、その正体がなんなのかと、その目的がなんなのか。そこがまだ隠されているので、正直話の展開が全く見えません。やっぱ話の構成が美しいわ。

ポーラさんがついに告白。でも、彼女の立場というのが良く判りません。これまでは、単にお友達だった訳ですけど、これ以降の彼女の立ち位置がどうなるのか興味が湧きます。当然ですが、彼女が何故秘密を知っているのか。これまでの彼女の役割はなんだったのかというのも気になるところです。ポーラさんもそれなりのポジションを確保されているだろうとは思っていましたが、ここへ来て赤丸急上昇って感じがしますね。

現状では製薬会社の面々が完全に悪役モードな訳なんですが、そこまで単純な話じゃないだろうという気がします。大分お膳立ては整ってきて、さてこれをどう収拾するのか。期待できるだけに、益々楽しみです。いやぁ一話でケイトが歌っていた時には、これほどになるとは思わなかったですよ。
転換回ってことで、話を止めて一端収束させています。単体の話で見るとちょっと退屈ですが、全体から見れば良い助走にんじゃないかと思います。その辺り基本を抑えているなぁとう感じがします。

たっぷりと時間を使って、記憶を失ったらどうなるのかということについて、4人が話し合います。彼女達のバックボーンがちゃんと描かれているので、それぞれの想いにちゃんと説得力が出ています。この辺は素晴らしい。

ただ、ルーラの件に関してはどうかなという気がします。まぁ弟だから悲しむのは当然と言えば当然なんですけど、彼女達に関してはこれまでずっと秘密主義で来ていましたので、あそこまで取り乱されてもなぁという気はちょっとしました。けど、恐らく問題なのはルーラなのでは無いでしょう。残念ながら、彼女は出汁に使われたという気がします。

重要なのは、ルーラではなくて、ルーラを見た4人が何を考えたのかという点。私達を忘れない人がきっと居てくれる。という結論に達するプロセスの方だった訳でしょうね。これって別に記憶が無くなるとか関係なくて、人が何故生きるかということに対する一つの答えでもあります。だって、誰でも明日生き延びるということが絶対保証されている訳では無いのですから。存在は他人によって定位するというのは、特に目新しい考え方では無いですが、まぁそれも一つの真実と言えないこともないでしょう。

片やリーズは覚醒したのかもしれません。彼女がどんな状態で、どうなるのかというのが、これからの一つの焦点になるでしょう。話全体の問題を解決する一つのキーになるような気がします。今のところまだラストは様々に想定することが可能です。それでみんな幸せになりましたから、そして誰も居なくなったまでやろうと思えば可能だと思います。それだけストーリーの懐が深いと言えます。

謎の作り方と出し方、そして隠し方が巧妙で、最初はちょっと変なところを隠しているという印象もありましたが、それを過ぎて初期設定を理解した辺りからは、適切に処理されているように感じます。だから、出し惜しみしている印象がないのに、切り札は手元に残っているという状態に常になっているように感じます。これは勿論やり方が上手いというのもありますが、それ以上に手札が良くなければ出来ない訳で、物語が綿密に練られている証拠だと思います。

えっと、前回も書きましたが、まだ18話です。これも凄い。下手すると後2回ぐらいで終わってしまうんじゃないかって勢いなんですが、ここからまだまだ一波乱二波乱確実にあるんでしょう。最後の最後まできっちり引っ張ってくれそうです。シリーズ構成が素晴らしいですね。まだまだ楽しませてくれそうです。
良い、すっごく良いです。前半はちょっとかったるくって、まぁこのタイミングは少し丁寧に描き込むのも仕方ないかなぁとか思っていたんですけど、ラストシーンに向けて綺麗に収束してます。1話としての構成が相変わらずとんでもなく美しいです。ローズクレアレイチェルも一言一言の台詞に凄く説得力を感じます。それぞれの現在の立ち位置の差、考え方の差、現実の捉え方の差、そういったものが台詞の違い、反応の違いにちゃんと出てきています。キャラが本当に生きてますね。素晴らしいです。

ケイトの許さないも怖かったですね。彼女はあまり感情を表に出さないってキャラにしていたせいもあって、追い詰められて追い詰められて、そこで爆発するというプロセスがとても良く描けています。

ケイトに秘密をあっさり打ち明ける。組織との絡みはこれだけでしたけど、それが不自然じゃなくて、とてもリアルに描けています。そこまで言うならもう少しちゃんとネタ出ししろよって客観者としては突っ込みたくなりましたが、ケイトの側としてはそうも言ってられないというのが正直なところでしょう。

エルヴェのサイドもなかなか差し迫ってきました。妹の容態もそうですけど、もう彼らも選択をしなければならない時期に来ているという感触が伝わってきます。エルヴェが何を考えているのか、それがどういう結末を招くのかその辺りが本当に興味深いです。

で更に、ここでジョーカーを動かしてきました。リーズの現時点の状態は、まだ記憶が戻りかけているという辺りなんでしょうが、何故そこまでして記憶を戻すのを拒んだのか、リーズが記憶を戻すとどうなるのか、そして完全に覚醒した時のリーズの選択はなんなのかなどなど、居なくなったというだけで、様々な謎が一気に吹き出します。これまでは、エルヴェ達との関係に焦点が絞られていましたが、当然のことながらケイト達とも関わりが出てくるんでしょう。もし、記憶が戻るなら、彼女達は友達であったという記憶があるわけで、それと何かを対比させるのだと思うのですけど、それがなんなのか。ちょうどケイト達が記憶で悩んでいるタイミングですから、これも絶妙です。

彼ら彼女らの存在とはなんなのか。そんな部分がテーマになっています。記憶? 家族? 友達? 恋人? 仲間? でも、どれもしっくり来ないような、でも捨てられないような。そんな曖昧な感覚を綺麗に表現しているんじゃないでしょうか。凄いです。他の追随を許さないクオリティで来ています。まさにシムーン級。これでまだ17話ってことは、まだまだ話は一波乱、二波乱はありそうです。どんな仕掛けが飛び出してくるのか、これは目が離せそうもありません。
凄い。これまた一気に展開しました。エルヴェのスイッチが入って、これまで隠されていた部分が一気に暴露されました。理事長が後先考えずに出てきたということは、それだけケイトの存在が重要だと言うことの証。エルヴェの言うことをそのまま鵜呑みにするのなら、ちょっとこの行動は納得できない部分があります。よって、まだもう少し奥があるというのは想像できます。

しかし、理事長つえぇぇ。ルーラ達に比べるとあからさまに戦闘力に差があります。これの意味するところも興味深い。アニムスが勝利した場合、ケイト達の記憶は消されて、永遠に歳を取らなくなる。なんでそうなるのかがまた謎ですね。永遠の若さというのは女性にとっての理想像という気もしないでもない。じゃあエルヴェ達がアニマが勝利した場合はどうなるんでしょうか。妹を助けることが出来るってことなんだろうけど、ノーマルな人間に戻るってこと? 一族というからには、なんらかの繋がりがあるんだろうと思うのだけど、言葉通り血の繋がりなのか? だとすると、アニムスの側は何によって結束されているんだろうか?

謎が謎を呼ぶってのは、まさにこういうことだなって感じの状態になっています。一回のネタ出しでほぼラストが見えてしまうようだと興醒めなんですが、これだけ重要な情報が提示されても、まだ全容が見えてこないという設定の複雑さがこの作品の最大の魅力でしょう。

後半の謎解き部分があまりにもインパクトがあったんで、前半を忘れがちですが、地味に彼女達の周辺の変化を書き込んでいます。クレアの親父初登場です。クレアが言うほど酷い親父でもないって感じに描かれています。同様にローズの親父も登場。こちらは想定の範囲内ではあったものの別に家族を捨てた訳ではないというのを感じさせます。もし、今回のエルヴェの話が真実だとするなら、当然彼女達は重要な選択を迫られることになるでしょう。これまでの彼女達の心情表現を綺麗に描いていただけに、この選択と物語の構成の絡み合いがとても楽しみになります。

まだ札はあります。まずは毎回ちょい役でレギュラーの刑事さん達。彼らも徐々に核心に迫っています。というか、エルヴェから情報がリークされているんですが、彼らの役割も判っていません。そして、エルヴェが彼らを呼び込む理由も良く判っていません。さらに最大の切り札は当然リーズ。彼女が研究所でどのような状態にされたのか、リーズがこれからどんな役割を担うのか。それも今のところは全く不明です。

何か、当初は淡々と進んできたかに見えたかもしれないですが、これだけの伏線が張り巡らされて、少なくとも現時点までには全く破綻も矛盾も無いというのは素晴らしいの一言だと思います。この1/10の量も構成されていない作品もかなりありますから、本当に渾身の作と言ってもいいでしょうね。お見事と言うしかありません。
全員が一気に鬱モード突入。ケイトは深刻で、普通なら相当追い詰められたろうって感じがします。気丈なクレアも結構ヤバそう。ローズはメモを貰ってどうなるのかは判らない状態。レイチェルは気の持ちようって感じはしますが…。対するエルヴェも切れ気味。とうとう話が一気に動き出す予感です。

物語の展開としてはベタといえばベタなんだけど、だからこそ古典的美しさがあると言えない事もないです。流れは淀みなくという感じで、スイスイとというか、淡々とというか順調に、確実に推移していっています。肝心なのは、それだけで終わることなく、そこから如何に発展させることが出来るかという点でしょう。なので、これから先が注目で、構成に凝るだけが作品じゃないってところを見せつけて欲しいものです。

刑事達やポーラ達も脇役として光っています。無駄キャラが居ないってところも、好感度を上げる要員になっていますね。エルヴェが何を企んでいるのかもとても興味深いんですが、警察にヒントを出すことが何になるのか想定出来ないところです。リーズエルヴェのシーンはなかなか印象深いものがあって、あれでエルヴェに一定の方向性を与えたように思えるのですが、リーズを被害者だと認めるなら、単に組織を潰すというだけなのではないでしょう。それじゃ妹も救えないですしね。

未だベット生活のリーズも記憶を戻すことでどうなっていくのかもポイントの一つでしょう。今に至ってもエルヴェに特別な感情を持っているような表現がなされているし、彼女がどこまで状況を掴んで、どのような選択をするのかも物語を左右しそうな気がします。

元々二つの組織の目的が良く判っていない状態で話が今まで続いています。この辺りが話に与えるインパクトが引っ張っているだけに気になります。あまり引っ張りすぎると、余程のネタを用意しない限りなんだぁになってしまうので、適当にガス抜きをする必要はあるんじゃないかなって気がします。

前回ケイト達が能力を出し始めたというところで、一気に話を別方向に振ったというのはさすがに考えられているなって気がします。結局最終的に誰が敵になって、誰が見方になるのか。それすらまだ見えていない状態です。決してネタ出しを渋っているという印象があるわけでもないのに、これだけ肝心なピースが抜けているという状態は、設定の厚みを感じさせます。それに伴って、キャラクターの心情も良く描けているので、物語に深みが出ています。各話の情報量も適切で、単独としても良く出来ています。今のところは上々の出来を維持していますね。
今回は収束回。一応伏線も展開されては居るけど、それほど大きくは無い。むしろローズの問題を纏めることと、エルヴェに妹の話を自白させることが重要だったんじゃないかと思います。今回を踏まえて次回一気に展開という構成のようです。シリーズ構成は美しいですね。

デザインの個性の部分もあるんですが、どうしても絵的な演技の部分が弱いかなって気がしてしまいます。例えば、エルヴェの話を聞いて、涙するケイト。いや良く判る良いシーンなんですけど、もう少しその部分の絵的な描写に繊細さが欲しいかなって気がします。他が良いだけに目立ってしまってます。いや、これ以下の作品は幾らでもあると言えばあるんですけどね。

ちょっととは言え、毎回刑事が登場して、徐々に核心に迫ってきているのが興味深いです。でも、エルヴェにも気付かれているということで、どちらがどう動き出すのかその辺りが焦点になりそうです。夜の生活がバレるってのは、誰に? というのが気になるところ。刑事達にというのも一つあるかも。後は友人達? 両親や家族だと大事になりそうだねぇ。他にはあまり候補が無いからそんなもんなのかもしれない。

けど、このままじゃケイト達とエルヴェの組織を繋げるのが厳しそう。それ無しでいきなりエルヴェが本性剥き出しにってパターンもありそうではあるんだけど、そうなると他が関与する余地が無くなってしまって、折角描いてきた関係性が無効になっちゃうので、ちょっと違うかなぁという気がする。その繋ぎを刑事達がやるのかもしれないかなぁと。

ヤバそうなのは、エミリオ。彼は後何話生き延びることが出来るのか…。もしエミリオが発症ということになれば、その時のケイトの反応がどうなるのか。それは相当な山場になるでしょうね。当然エルヴェの動きも気になるとこと。物語の構成が綺麗だから、あれここれ想定が成立して楽しいです。
久し振りな感じですが、変わらず絶品な構成。各キャラの描き方のバランス、心情表現どれも絶品です。伏線の張り方も美しい。1話の完成度が圧倒的です。最近ハズレばかりを見ていたせいか、特に目立ちます。いやブラボーって感じです。

今回の見所はまずローズ。なんというか、可愛さ爆発です。庭でランニングしたり腕立て(ただし0回)したりする姿はなかなかでした。対するケイトもなかなか。初デートに照れる辺りがラブリーです。なんか、初めて女の子してる回だなって感じがしました。けれど、それで終わらないのがRED GARDENの凄さで、レイチェルに対してもきっちりと近状報告がされているし、彼女の思いの複雑さを各所で上手く表現できていました。

もう一つの見所は伏線。特にルーラ達と学園の関係が初登場。これは興味深いです。天然系と言われていた先生がまた微妙に怪しいあたりが憎い演出です。更にはスーパーケイトモードの発動もなかなかです。事の後で壁に飛びつくシーンがまたお茶目でした。設定の説明をしているシーンなのに、きっちり脇でキャラの魅力も描いている辺りが好感触です。

エルヴェの側もいよいよジリ貧の状態。リーズの目覚めも近いという感じ。リーズが何故過去を思い出してはいけないのか? それが一つもポイントなんですけど、近いうちに種明かしが出るかもしれません。期待したいですね。刑事の二人組もギャグを咬ましながらもしっかりと核心に迫ってきています。物語に置ける二人の役回りがどうなるのかも、注目点になるかもしれません。

いやぁ、30分でこれだけ堪能できる作品って貴重。シムーンの後釜にはコレしか無いって感じが濃厚になってきました。このレベルの作品が連続して出てくるなんてことがあったりするから、駄目が多くてもアニメ作品を見るのが止められないんですよね。
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綺麗にキャラが描けてます。にも関わらずストーリーも着実に進んでいる今回もまた好感触です。ケイトネタが進むと、話が進行したなぁって感じます。レイチェルの状態も絶妙に微妙で、話の中で彼女達の存在がそれぞれどういう位置になるのか、とても楽しみです。エルヴェがどんな思惑で居るのか、それにリーズがどう絡んでくるのか、ケイトとの関連も見物です。

ローズが今ひとつ出遅れているという感じがしますが、ポイントは彼女のお父さんなんだと思います。彼女の親父だけは、存在が謎になっています。にも関わらず、親父のネタは何回か出ているし、今回も出ていました。これだけ前振りしているってことは、恐らくなにかの鍵を握っていると考えた方がいいんじゃないかって気がします。

クレアの兄貴のネタもその後出てきません。親父もそう。クレアの家族関係もちょっと興味が湧きます。レイチェルの親父も出てきてないような気がするな。となると、彼女達が選ばれた理由ってのがその辺にあるような気もするのですが、ケイトだけは、家族が全員出てきています。とは言え、ちょっとだけなので、その辺はケイトの側からネタ出しされるのかもしれません。

話は展開しているし、謎も多いのに、キャラの行動に無理を感じない作りになっているのが良く出来ています。リーズが実験体としてどういう状態になっているのか、それがこれからの話にとても重要な要素になるような気がします。ケイト達4人の関係が徐々に変わってきているような気がするのも、上手い描写です。キャラは自然に行動しているように見えて、しっかりストーリーをリードしている希有な作品になりそうです。
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転換回かなって感じがしました。ちょっと停滞して、みんながちょっと良い感じになってという回でした。でも、その分次回からドーンと突き落とされるという可能性がありそうです。

ケイトの話がやっと出てきたというのが、一つ特筆に値するところだと思います。彼女の言動や選択が物語全体に対して、大きな意味を持つだろうと予想しています。そういう意味でケイトの周辺に話が及んだというのは、いよいよ本筋に入る予感があります。なによりも、ケイトエルヴェが絡んでいったというのは、設定として非常に大きいと思います。実は物語を展望するに手がかりはエルヴェであるし、足がかりはリーズであると思っています。その二人にケイトが絡むというのはとても興味深く、次回のサブタイにもなっていますが、エルヴェの思惑というのがとても気になるところです。

今までのところ本筋の話に関してはほとんど伏せられているという状態です。特にケイトリーズ以外の3人。レイチェルクレアローズに関しては全く不明で、なぜこの5人が選ばれたのか、彼女達の共通点は何なのか、彼女達の今の体はなんなのか等々、全く判っていない状態です。キャラとしては、全員良く描かれていますが、物語の中でのポジションという意味では、一人として確立していないというのが現状のように思えます。

レイチェル達3人の役割は実はとても大きなものなのかもしれないし、ケイト達の出汁に使われているだけなのかもしれない。どちらの可能性もあり得るという不安定な状態で今まで来ています。そろそろしっかりとキャラクター達の足下を固められるだけのネタ出しが必要になってきているんじゃないかなという気がしています。
構成、バランス、テンポ全てが良い出来です。今回は特にトータルで良かった気がします。物語が折り返しに近づいてきたことで、一気に話が展開しています。主役4人の描写が一通り終わって関係性の構築もほぼ出来たというのも大きいでしょう。これまでをちゃんと作ってきたからこそ、今のこの回が成立しています。

まずは獣人間側をまず少しじっくり目に描き込んでいきます。これまで隠してきたことなので、この辺りのネタが出ると、話の展開が大きく感じます。とって返して、ルーラのネタ出しが来ます。何で今まで内緒にしていたことを出し始めたのかとかって突っ込みは無しにしておきましょう。何気に刑事達の捜査も進展している辺りが渋いです。

で、自分達も狙われるってことで、みんな体を鍛え始めます。ケイトレイチェルクレアローズとそれぞれやり方が違うところがまた良い感じですね。それぞれ良い味だしてくれてます。ちゃんとそれぞれの性格描写もきっちりされている辺りが好感触です。しかも、ローズクレアは次のネタの伏線にもなっている辺りが巧妙です。

今回はクレアとユアンの会話がなかなか出色でした。振り返るクレアがなかなかラブリーだったし、そこから戦闘に入る流れが良く出来ています。獣人間も単なる獣って訳じゃなくて、人間だって事実は彼女達には驚愕だったことでしょう。感情的になったルーラの演出だけで、事が深刻だって表現できるところがさすがです。

リーズがどうなるのかも、結構興味が湧きます。リーズの動向がこれからの鍵の一つになってきています。彼女がどうなるのかが、ケイト達の今後にも当然影響を及ぼすでしょう。誘拐される前にケイトに言っていた彼氏ってのはエルヴェその人ってネタの気がしますね。だから以前のことを口止めするし、リーズはエルヴェに会いたがるって感じですかね。エルヴェが反体制的な発言を繰り返すのになんでVIP扱いなのかも気になります。ローズの親父とか、ケイトの姉貴の彼女とか、レイチェルの家族とか、その辺りの正体不明、消息不明系の人達と獣人間の関係もなんか出てきそうです。

ところで、ケイトちゃん腕立て0回は軽くじゃなくて結構ヤバいかもしれませんよ(笑)