シムーンの解釈について、某友人と話をしました。彼は僕よりも10歳ほど年上です。たかが10年、されど10年。無論知識や経験の差も大きいですが、それよりもイデオロギーの差が大きいんだなと感じました。
彼曰く、シムーンは基本的に敗北主義の作品であるとのこと。つまり、人は歴史には逆らえないし、神も仏もあるもんか。って訳です。それともう一つ、演出上のフェイクがシムーンには3つある。フェイクと言うと語弊があるかも知れませんが、要は話の本筋に対し、あまり意味を成していないものという意味(全然無意味とは違う)。三つとは、1,アーエルの赤目 2,アングラス 3,アムリア これを前提にすると話の解釈が綺麗に纏まります。聞いていて感動すら覚えるほどでした。
僕の感覚だと、問題は解決を試みて成功するか、失敗するかの何れかを取るだろうと想定してしまいます。ですが、実際には問題に対して結局なんのアプローチも行わずに終わっています。テンペストのメンバーが取った行動は、アーエルとネヴィリルを逃がすことであり、結局それでも世界は変わらず、宮国は(恐らく)滅び、戦争は続き、泉は存在しています。
曰く、アーエルとネヴィリルはリモネの前に現れ、未来にも現れています。それはつまり偏在性を持ったのだと某友人は主張します。つまり神です。オナシア=ドミヌーラ説を彼は取っており、そうするとユンの台詞も理解できますし、ドミヌーラの金粉化も理解できます。テンプスパティウムは何故片翼なのか? それは、それがリモネであり、ドミヌーラを失っているから。神には少女しかなれず、ドミヌーラは再度の翠玉の段階で既に少女で無くなっていたから。
ドミヌーラがヘリカルモートリスから引き継いだのは、オナシアの記憶。つまり、彼女はあの時点で自分がオナシアであることを知り、神になれないことを知り、リモネとの別れを知り、神の限界を知った。だから祭壇を破壊した。つまり、あの段階で神は何も為し得ないと表現されている訳です。
他にもネタ出しはありましたが、全て辻褄は合っていました。しかも完璧に。で、じゃあシムーンの描きたかったものは? それは彼女達のアイデンティティの確立へのあがき。少女達の偶像としての少女をアーエルとネヴィリルに託す。そうせざるを得ない状態を描くことだろうと某友人は言います。この感覚が僕には今ひとつ納得できない部分なんですが、理解は出来ます。芸術家が作品を残す感覚に似ているとのこと。芸術作品そのものは、現実社会に対し本来的に無意味です。けれど芸術家はそれを作り続ける。それは、自らのアイデンティティの偶像を作成している訳です。テンペストのメンバーはそれを求めた。それは、彼女達にとっては自らの命よりも重要なことである訳です。
と、書いてもピンと来ない部分があるんですが(笑) 某友人の世代の人間には、この感覚が良く理解できるんだそうです。ひょっとすると、西村監督もそういう年代の人なんじゃないでしょうかね。つまるところ、僕が見るとシムーンはある意味未完成の話のように見えていましたが、実際には綺麗に完結していたということになります。これ以上無い、これ以外無いというぐらいにです。
この話を聞いた時、自分の感性の貧しさがちょっと悲しくなりました。
この記事へのコメント
はじめまして。仮帯と申します。
単刀直入ですが、
『敗北主義』――Kazu'S in Meaning様の御友人が挙げた、
この言葉は、
シムーンを見終えたあとの、
今ひとつ判然としていなかった最後の1ピースを、
ピタリと嵌め込んでくれたような気持ちがしました。
『フェイク』として捉えるというのも、
賛同できます。
でも、謎を解き明かしたいという気持ちはありますけども。
自分は、
アーエルの祖父がアムリアなんじゃないかと疑っていたり……。
以上、長々と失礼しました。
単刀直入ですが、
『敗北主義』――Kazu'S in Meaning様の御友人が挙げた、
この言葉は、
シムーンを見終えたあとの、
今ひとつ判然としていなかった最後の1ピースを、
ピタリと嵌め込んでくれたような気持ちがしました。
『フェイク』として捉えるというのも、
賛同できます。
でも、謎を解き明かしたいという気持ちはありますけども。
自分は、
アーエルの祖父がアムリアなんじゃないかと疑っていたり……。
以上、長々と失礼しました。
2006/10/13(金) 23:59 | URL | 仮帯 #ihMNMLjo[ 編集]
彼の指摘は本当に鋭いものでした。もう、鱗が落ちまくりでした。
でもまだまだ、一杯想像することはありますよね。そういう題材になる作品というだけでも、シムーンには価値があると思います。
でもまだまだ、一杯想像することはありますよね。そういう題材になる作品というだけでも、シムーンには価値があると思います。
はじめまして、seattleと申します。
仮帯さんと同じく、私もこの作品の最終話付近の解釈について悩んでいましたが、
ご友人の解釈を見て、本当にすっきりした気持ちになりました。
シムーンは近年希に見る特殊な作品であり、特定の人には本当に宝物のようなお話だと思います。
いわゆるオタク向けの記号的な「百合」ではないこの作品、大事にしていきたいですね。
ps:
トラックバックの受信なのですが、こちらの情報(タイトルやblog名)が
派手に文字化けしております・・。
ソースを拝見するとeuc-jpっぽいのですが、こっちが悪いんでしょうか;;
仮帯さんと同じく、私もこの作品の最終話付近の解釈について悩んでいましたが、
ご友人の解釈を見て、本当にすっきりした気持ちになりました。
シムーンは近年希に見る特殊な作品であり、特定の人には本当に宝物のようなお話だと思います。
いわゆるオタク向けの記号的な「百合」ではないこの作品、大事にしていきたいですね。
ps:
トラックバックの受信なのですが、こちらの情報(タイトルやblog名)が
派手に文字化けしております・・。
ソースを拝見するとeuc-jpっぽいのですが、こっちが悪いんでしょうか;;
アニメに限らずどんなものでもそうですが、様々な作品が存在することが望ましいと考えています。ですので、シムーンのような作品が特殊であるという事態は、とても残念であると同時に、とても貴重ですね。
TBの件ですが、恐らくFC2の問題だと思われます。正直FC2のTB機能は非常に出来が悪く、飛ばない場合や文字化けを起こす場合が多々あります。申し訳ありませんが、ご迷惑なら削除してください。
TBの件ですが、恐らくFC2の問題だと思われます。正直FC2のTB機能は非常に出来が悪く、飛ばない場合や文字化けを起こす場合が多々あります。申し訳ありませんが、ご迷惑なら削除してください。
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