Kazu'Sが感じたことを遠慮無しに書き込む為のBlog。気分が悪くなっても知りません(笑) 自己責任で。 基本アニメレビュー。「シムーン」「RED GARDEN」。最近はひたぎ蕩れでミナ蕩れです。

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結局この作品の一番のキモは、主体的に関わってきた人間が誰もいないと言うところにこそあったという事になるんでしょう。個人的には、序盤の加菜子と頼子の描写があまりにも印象に残ってしまったために、彼女達二人の関係こそが話の軸になっているのではないかという思いが最後まで捨てきれず、そういう意味においては、やや消化不良感が残るような気もしますが、頼子は加菜子を突き落とすという、通りモノにある意味最初に憑かれた人間としての役割を果たしている訳で、既にその時点で相応という事になるのでしょう。

加菜子の心情について最後まで触れられずじまいというのも残念ではありますが、そのことが話の雰囲気に大きく影響していると共に、加菜子自体は完全な被害者であり、頼子の妄想はともかく、やや大人びては居たものの、普通の女の子という枠を出ていなかったという事になるのでしょう。我々はどうしても頼子の視点で加菜子という少女を見てしまっていたために、彼女に対する評価にフィルターがかかっていて、加菜子には何かがあるに違いないと思わされていました。そのこと自体が巧妙な演出出会ったという事になります。

最後の大ネタが加菜子の出生の秘密、というか、陽子の秘密といった方が良いかもしれませんが、そこに落ちるというのはやや不満の残る部分で、陽子さんに関しては、これまで最低限の情報提示意外にほとんど描写がなかっただけに、彼女の秘密が明らかにされた時にもう一つインパクトに欠けるものになってしまったように感じられます。ラストの大ネタですから、それが明らかになる事で大きく展開が変わるというものを期待する部分もあったんですが、そういう奇策は取らず、あくまでも流れの枠の中で、きっちりと話を収めるという手法をとってきたように思えます。それでも今回の事件の中心にかなり近い所に彼女は居続けた訳で、彼女に対する描写がもう少し増えていても良かったんじゃないかなという気がしないでもありません。

それに対して、雨宮に対する描写は今回一回だけでしたが圧巻で、彼が現実を受け入れられなくて、いや京極堂の言葉からすると、受け入れすぎてしまったためなのか、倒錯していく様というのは、圧倒的でした。京極堂の幸せになるのは簡単だいう台詞も印象的で、世の中の幸せ症候群に感染している連中に効かせてやりたい位でした。あの印象的な第一話のアバンが、実は久保の実体験であったというのにもの凄い重圧感があって、実際にそいういう場面に出くわした時にどういう感情が沸き起こるのか、ちょっと考えるのが恐ろしくなります。

美馬坂の考え方自体も、科学信奉者には陥りやすい部分で、実際には箱に入った脳髄の世界が虚なのか実なのかというのは、簡単に答えを出す事ができない内容なのですが、それについて京極堂は、別の切り口から真っ向否定をしています。それについてはやや無理矢理という気がしないでもないですが、箱の中の現実というのが箱の外の世界を前提に構成されているものであるという事実を考えれば、そう信じる事は無意味ではないのではないかという気がします。箱の中の久保は自らを定位させることは出来なかったし、箱の外の世界が変わる事で、美しかった加菜子は干物のようになってしまいました。

様々な感情を喚起する作品であった事は事実で、それらについて何とも言えないような後味を残しつつ終了したという物語になりました。全般として出来は最高傑作に近いものを維持し突け、展開は妥協することなく、曖昧な部分を残すことなく収束しています。この手の話においては、それが最も重要な事柄であり、その内容や結論を支持するかどうかは別として作品としてある種の究極型に仕上がっていると思います。魍魎とは人の狂気に近い存在という解釈が成立するかと思いますが、それを軸にして作られているなど物語としての作りもしっかりしたもので、賞賛に値する出来になっていたんじゃないかと思います。
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